2021年度 自賠責運用益拠出事業一覧

自動車事故防止対策

交通事故防止のための啓発・教育

「飲酒運転防止のための啓発事業支援」【(NPO)ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)】
  • 飲酒運転による事故は厳罰化などによって減少傾向にはあるが、未だ飲酒運転による重大な事故が発生している。
  • 2014年6月にアルコール健康障害対策基本法が施行されたことも踏まえ、広く一般市民向けに公開スクーリングや啓発活動を行い、飲酒運転防止を呼びかける。
拠出額:5,500千円
「地域密着型交通安全教育の方策開発と普及活動支援」【(NPO)安全と安心 心のまなびば】
  • 地域に根差した交通安全活動を地方の小地域から全国に向けて発信するため、過去の助成事業で実践した経験と結果を活用し、町内会や学区、家庭等の「小さな単位」における交通安全教室の定型化・マニュアル策定を実施する。
  • 本事業においては、少人数で実施する個への教育に着目し、地域における高齢者および子どもを主たる対象として、高齢運転者および家族へのアドバイスツールの活用や家庭でできる交通安全教育の展開を実践するとともに、モデル事業として全国への展開を目指す。
拠出額:6,190千円
「安全運転支援装置の体験による交通事故防止意識の醸成および同装置の普及促進」【(一社)全日本指定自動車教習所協会連合会】
  • 高齢運転者のブレーキとアクセルの踏み間違いによる重大事故が散見されており、官民連携してセーフティ・サポートカーの普及啓発に努めているところである。 本事業では、指定自動車教習所に「ペダル踏み間違い時加速抑制装置」を配備し、高齢者講習等で来所する高齢運転者および新免許取得者に同装置を体験してもらうことで、安全支援装置の理解・利用促進を図り、交通事故防止の意識向上および同装置の普及促進に寄与する
拠出額:19,000千円
「オンラインを活用した交通安全教育手法の開発および普及」【(一財)日本交通安全教育普及協会】
  • 新型コロナウイルスの感染予防により、従来の対面・集合型の交通安全教育が相次いで実施できない事態に陥っており、交通事故に巻き込まれる確率の高い若年層に対して、交通安全を学習する機会が作れなかったことは交通事故防止の啓発・教育の観点で課題がある。
  • 本事業では、非対面・非接触型の交通安全教育の手法を検討・開発し、「新しい生活様式」に対応した交通安全教育モデルの普及を図る。
拠出額:4,999千円

交通事故防止機器の寄贈

「交通事故防止用機器の寄贈」【警察庁(都道府県警察)】
  • 都道府県警察への交通事故防止用機器の寄贈を通じ、交通事故の防止・抑制を図る。
  • 寄贈機器は、運転者疑似体験教育装置、歩行者模擬体験教育装置、運転者擬似体験型集合教育装置および可搬式速度違反自動取締装置とする。
  • 「歩行者模擬体験教育装置」は、高齢者などへの交通安全教育に有効である。また、「運転者擬似体験型集合教育装置」は、受講者個々の危険予測能力を視覚的に表示し他者と比較を行うことにより、危険予測能力と交通安全意識の向上が期待される。
拠出額:54,428千円
「自転車事故防止のための交通安全教育支援」【(一財)全日本交通安全協会】
  • 警察統計によると、自転車事故の9割は対自動車・二輪車事故であり、自転車乗用中の事故による死傷者の6割以上がルール違反によるものである。
  • 都道府県交通安全協会に自転車シミュレータを寄贈し、交通安全教室等で活用することにより、自転車利用者に対して、自転車の安全な利用、ルール遵守等を徹底し、事故防止を図る。
拠出額:14,410千円

交通事故防止に関する研究

「スマートフォンを利用した個人交通事故リスク算出と行動改善に関する研究」【名古屋大学】
  • スマートフォンを利用してGPS情報による個人の移動履歴を収集し、警察庁等が整備している交通事故統計情報と組み合わせて分析することで、個人の交通行動に基づく事故リスクに関する調査研究を実施する。
  • 個人の交通行動に基づく交通特性や事故リスクを研究することで、普段の交通行動パターンに応じた交通安全意識の向上や安全確認行動の増進、ハイリスクな場所における交通回避を促進し、交通事故削減に繋げる。
  • 個人の交通特性や事故リスクを可視化することで、事業所、学級、家族等でのリスクコミュニケーションへの活用や、特に歩行者・自転車等の交通弱者に対する安全支援に資することも期待される。
拠出額:-千円
「高齢者の運転再教育および運転リハビリテーションによる運転期間延伸手法の科学的検証と体系化に関する研究」【佐賀大学】
  • 米国運転リハビリテーション協会の教育システムを活用して、日本における運転リハビリテーション領域の確立と教育制度の体系化を実践する。 日本版運転再教育プログラムを開発し、医療機関や自動車学校等との協働により同プログラムを実証して教育効果に係るデータの収集解析を行うことで、実効的な運転期間延伸手法を構築する。
  • 日本版運転再教育プログラムの実証により、高齢運転者の日常的運転行動記録を収集・解析することで、実効的な運転リハビリテーション・教育制度の実現と高齢運転者による交通事故削減に寄与することが期待される。
拠出額:7,500千円
「歩行者事故低減に向けた子どもに対する安全教育および周囲の監視に関する研究」【(一財)日本自動車研究所】
  • 対歩行中の事故の中で第一当事者となりやすい子どもの事故の防止・低減を目的として、効果的な安全教育および周囲の監視に関するアンケート調査等を実施し、子どもの発達段階に応じた交通安全教育プログラムを作成する。
  • 子どもの監視(見守り役)を高齢者が遂行する事例を参考として高齢者の事故削減にも資する基礎データを収集し、地域住民全体の交通安全意識向上につながる活動展開が期待される。
拠出額:3,500千円
「運転者の健康管理を支援する「体調予報」システムに関する基礎的検討」【(公財)大原記念労働科学研究所】
  • 近年の高齢ドライバー増加に伴い、運転中の急な体調変化に起因すると考えられる健康起因事故への対応が求められている。安全に運転を続けるためには、高齢者に限らず、全てのドライバーが適切に健康を管理することが必要である。
  • 本研究では、ドライバーが自身の健康状態に気付き、安全運転のために日頃から健康に気を配る行動の促進を支援する「体調予報」システムを構築するため、職業ドライバーから得られる運行計画および運転情報と、ドライバーの健康に関するデータを収集し、予測アルゴリズムを開発する。
  • 職業ドライバーモデルから得られた知見に基づき、一般ドライバーへの適用モデルを検討する。
拠出額:19,950千円
「高齢運転者向け認知機能検査の副作用とその緩和策の検討」【筑波大学】
  • 道路交通法の改正によって、75歳以上の高齢運転者には運転免許の更新時に、認知機能検査が義務付けられている。同検査は認知機能の低下を発見することにより、左記機能低下による事故を未然に防止する施策だが、同検査で「記憶力・判断力に心配がない」と判定された人に「認知機能に今のところ心配がない」という結果の認識だけでなく「運転技術も高い」という過信(副作用)を招いている可能性が示唆されている。
  • 本研究では、認知機能検査が受検者にもたらす心理的影響の効果・副作用の可能性を大規模調査により検証し、副作用の緩和策を検討し、提案を行う。
拠出額:8,000千円
「自動車安全技術開発を担うエンジニアの育成モデルの研究」【東京大学】
  • ASV技術等、自動車安全技術の高度化・専門化が進み、事故削減に貢献しているが、自動車安全技術の全体像を理解するエンジニアが不足している。本研究では、寄付講座・一般への公開講座等での教育活動を通じて、エンジニアが自動車安全技術の全体像を理解するための教育モデルを検討する。
  • 本研究結果は学会や学術講演会等の場で情報発信することを予定しており、各大学・自動車メーカー等での自動車安全技術教育のモデルケースになることが期待できる。
拠出額:7,000千円
「疾病者による就労時の自動車運転に関するガイドラインの策定に向けた研究」【(一社)日本交通科学学会】
  • 健康起因事故の防止として、疾病者が自動車運転を含む労働に従事している場合には、医学的および車両安全の両面から適切に支援や対策を講じる必要がある。本事業では、雇用者等が適切な判断・指導を行えるガイドラインを作成することで、疾病者による自動車運転時の事故防止に貢献する。
拠出額:6,500千円
「仮想現実運転シミュレーションを用いた運転寿命延伸プログラムの構築」【国立研究開発法人国立長寿医療研究センター】
  • 75歳以上の高齢ドライバーには免許更新時に認知機能検査が義務付けられるなど、事故防止に向けたスクリーニングが実施されている。
  • 本事業では、仮想現実シミュレーションを活用して簡易に高齢者の運転技能を評価できる方法を開発する。技能の低下が見られる高齢者に対して適切な教育プログラムを提供できる環境を整備することで、安全な運転寿命の延伸を図り、事故防止に貢献することを目指す。
拠出額:13,997千円
「加齢脳指標を用いた高齢運転者自動車事故防止対策に関するコホート研究」【高知工科大学】
  • 「高齢者の脳を含む老化情報と交通事故との関係性に関する研究」において、万人の脳に発生する白質病変のMRI観察(グレード分類による定性評価)と脳容積計測(脳萎縮の定量評価)の2つの脳指標を合わせた総合評価から、高齢運転者の加齢脳と運転パフォーマンスの有意な関連を示すエビデンスが得られた。本研究では、年齢だけでは把握しきれない高齢者の個人差に対して、白質病変と脳萎縮の指標を完全定量化し、運転パフォーマンスを予見できる加齢脳指標を定めることを目指す。
拠出額:10,000千円

救急医療体制の整備

救命救急医療機器・機材の寄贈

「救急医療機器購入費補助」【日本赤十字社】
  • 医療収入以外の収入を主に寄付に依存する公的病院に対して交通外傷に有効な医療機器の購入費を補助することにより、救命率の向上、医師・患者の負担軽減を図る。
拠出額:162,228千円
「救急医療機器購入費補助」【(社福)済生会】
  • 医療収入以外の収入を主に寄付に依存する公的病院に対して交通外傷に有効な医療機器の購入費を補助することにより、救命率の向上、医師・患者の負担軽減を図る。
拠出額:135,070千円
「救急医療機器購入費補助」【(社福)北海道社会事業協会】
  • 医療収入以外の収入を主に寄付に依存する公的病院に対して交通外傷に有効な医療機器の購入費を補助することにより、救命率の向上、医師・患者の負担軽減を図る。
拠出額:15,000千円
「救命救急センターへの救急医療機器購入費補助」【(一社)日本外傷学会】
  • 交通事故による重症患者が搬送される救急救命センターにおける救急医療機器の導入を支援し、救急医師の負担軽減、患者の病態改善に迅速に対応し、防ぎえた死亡の減少を図る。
  • 本事業では、日本外傷学会内に支援病院の選定委員会を組織して選定する。なお、選定機器は救命率向上に有効な機器とする。
拠出額:120,000千円
「高規格救急自動車の寄贈」【消防庁】
  • 被害者救済に直結する高規格救急自動車を寄贈する。高規格救急自動車の普及により、救急救命士による応急措置の高度化、救命率の向上が期待される。
  • 普及率は一定の水準に達したが、耐用期間満了による救急医療体制の後退を防ぐ観点から、2013年度から寄贈台数を減車し、継続して寄贈する。
拠出額:50,000千円

救急医師・救急看護師の育成

「救急外傷診療の研修会費用補助」【(NPO)日本外傷診療研究機構】
  • 外傷診療を行う医療従事者を対象とする「救急外傷における適切な標準治療に関する研修会」開催費用を補助し、救急医療体制の整備を図る。防ぎえた死亡を減少させることが期待される。
拠出額:10,000千円
「救急外傷看護の研修会費用補助」【(一社)日本救急看護学会】
  • 外傷看護を行う看護師を対象とした「救急外傷患者看護に関する研修会」開催費用を補助し、救急医療体制の整備を図ることで、防ぎえた死亡を減少させることが期待される。
拠出額:8,500千円

ドクターヘリ事業の推進

「ドクターヘリ講習会費用補助」【日本航空医療学会】
  • ドクターヘリ関係者(医師・看護師・運行者等)を対象とした「ドクターヘリ講習会」開催費用を補助し、救急医療体制の整備と被害者救済を図る。救命率の向上、医療費の削減等が期待される。
拠出額:3,500千円
「ヘリコプターを活用した救急医療システム構築のための事業補助」【(NPO)救急ヘリ病院ネットワーク】
  • 救急ヘリコプターに関する広報誌「HEM-Netプラザ」の発刊・配布、ホームページを通じた広報・啓発活動を支援する。
  • 救急ヘリコプターによる医療効果は高いとされており、その重要性と必要性について、社会一般の認識・理解を一層高め、ドクターヘリの普及・円滑な運行に寄与する。
拠出額:7,000千円

自動車事故被害者対策

交通事故相談等への支援

「交通事故無料相談事業支援」【(公財)交通事故紛争処理センター】
  • 交通事故による当事者間の紛争の適切な処理に資するため、同センター嘱託弁護士による無料の法律相談、和解あっ旋等の事業を支援する。
  • 保険会社の利益に属さない自賠責運用益を活用することで、中立的な立場から事業を行い、迅速な紛争解決を図ることが期待される。
拠出額:789,195千円
「自動運転車による事故の原因究明に向けた体制整備への支援」【(公財)交通事故総合分析センター】
  • 国土交通省において実施した「自動運転における損害賠償責任に関する研究会」では、当面、自賠法上、システムが運転主体となるケースでも運行供用者責任があるとされるが、自動運転車での事故発生時に自賠責保険でカバーする以上の損害が発生する場合、加害者に資力がなければ、被害者が十分な補償が受けられない可能性がある。
  • 本事業では、被害者が加害者の資力等に関わらず十分な補償を受けられる可能性を高めるため、拠出先で運営が想定される事故の原因を調査する体制の構築・整備を支援する。
  • なお、調査結果は同様の事故の再発防止も促す効果もあり、自動車事故防止対策としても貢献する側面があると思われる。
拠出額:14,990千円

交通遺児への支援

「損害賠償金による交通遺児育成基金事業支援」【(公財)交通遺児等育成基金】
  • 交通遺児の賠償金を効率的・安定的に運用して、遺児育成のための資金を長期にわたり定期的に給付する制度を支援し、交通遺児の保護・救済に資する。
拠出額:15,982千円
「交通遺児への奨学金支給補助」【(公財)交通遺児育英会】
  • 交通遺児家庭の生活の支えとして、高校や大学等への進学のための奨学金貸与の要請は高まっている。一方、金融環境の悪化等により本育英会の運営は不安定な状況にある。
  • 本育成会の交通遺児就学支援事業(奨学金貸与等)を支援することにより、交通遺児の教育の機会均等を図る。
拠出額:30,000千円

被害者・家族等の心のケア、講習会の支援

「交通事故被害者への情報提供・研修会等開催費用補助」【自動車事故被害者団体等】
  • 交通事故による被害者やその家族に対する情報提供を目的とした研修会・勉強会の開催費用を補助する。研修会・勉強会を通じて、交通事故被害者やその家族に対する適切な情報提供、意見交換、交流が期待される。
拠出額:10,000千円
「被害者・その家族等の心のケア推進事業支援」【(公社)全国被害者支援ネットワーク】
  • 交通事故等の被害者支援活動を推進するための広報活動(「被害者支援ニュース」および「被害者の声」の発行)を支援する。
  • 広報活動を通じて被害者支援の理解を深めることで、交通事故被害者の支援活動の充実が期待される。
拠出額:2,100千円
「遷延性意識障害者の家族の介護に関する講演会および勉強会開催費用補助」【日本意識障害学会】
  • 遷延性意識障害(植物症)の患者を介護する家族への情報提供の場として講演会・勉強会を開催し、全国における事例等、介護に関する種々の情報を提供する。遷延性意識障害者とその家族が直面する課題等への支援が期待される。
拠出額:2,000千円
「リハビリテーション講習会開催費用補助」【リハビリテーション病院等】
  • 交通事故による脳外傷や脊椎損傷などで重度後遺障害を被った被害者やその家族に対する講習会費用を補助する。各都道府県で実施する講習会を通じて、適切な情報提供、意見交換、交流が期待される。
拠出額:40,000千円
「脊髄損傷当事者によるピアサポート事業支援」【(公社)全国脊髄損傷者連合会】
  • ピアマネージャー(治療やリハビリを終えて社会復帰した先輩の脊髄損傷者)による脊髄損傷者のためのピアサポート活動(注)を支援する。脊髄損傷者への情報提供、早期社会復帰が期待される。
    (注)リハビリセンター・医療機関等に入院中の脊髄損傷者およびその家族を対象としたグループ相談会開催、ピアマネージャーの派遣、病院・自宅等個別訪問、ロールモデル(社会復帰をとげた脊髄損傷者)の派遣及び講演会の実施、ピアマネージャーの現任研修会の実施等。
拠出額:11,566千円
「脊髄損傷の再生医療に関する勉強会開催費用補助」【(NPO)日本せきずい基金】
  • 脊髄損傷治療における再生医療に関する勉強会の開催費用を補助する。
  • 従来、脊髄損傷の治療は不可能とされてきたが、ES細胞・iPS細胞の技術開発により、臨床試験が実施されている。同勉強会を通じ、脊髄損傷治癒の展望や、早期リハビリテーションによる傷害重度化の予防などシスティマティックなケア・システムを確立するための当事者・家族の理解を深める情報提供の場とする。将来的に急性期から慢性期まで一貫した医療とリハビリを提供する脊髄損傷センターの整備を目指す。
  • 脊髄損傷者の実態調査を実施し、慢性期脊髄損傷患者の治療、リハビリテーション、生活指導等に脊髄損傷者に特化したQOL評価の指標を活用する。
拠出額:7,200千円
「グリーフケア人材養成講座の運営支援・受講料補助」【(学)上智学院】
  • 交通事故等により家族を失った遺族等の悲嘆に寄り添う人材を育成するため、グリーフケア人材養成講座の運営を支援する。
  • また、交通事故遺族関係者が本講座を受講する場合、受講料の一定額を補助する。
  • グリーフケア人材の養成により、交通事故被害者遺族等の「心のケア」の推進に資することが期待される。
拠出額:12,000千円

研究支援

「交通事故等の遺族による被害者等の生きた証を伝承する活動が心のケアに寄与する影響に関する調査」【関西学院大学】
  • 交通事故被害者支援の方策の一つとして、深い悲しみにある交通事故被害者の遺族が、その生きた証を伝承する活動の実態と社会に与える影響を明らかにする。
  • 近年、遺族支援を意味する「グリーフケア」が広まりつつあり、交通事故被害者の遺族がその生きた証を伝承する活動の普及・拡大を通じて、他の被害者との交流や情報共有を図り、心のケアに寄与することが期待される。
拠出額:1,360千円
「高次脳機能障害当事者によるピアサポートの研究」【エスポアール出雲クリニック】
  • 高次脳機能障害者(当事者)が、支援者として当事者や他の家族支援が可能となる研究を実施し、ピアサポーター養成のテキストを作成する。当事者がピアサポート活動に従事することは、被支援者に対する支援が充実することに加え、支援者自身の自立にもつながる。
  • 作成したテキストに基づき基礎研修プログラムを構築し、全国展開することにより、全国の高次脳機能障害者・家族への支援拡大が期待できる。
拠出額:11,500千円
「地域通所施設をめぐる高次脳機能障害者への支援プログラムに関する研究」【神奈川工科大学】
  • 高次脳機能障害者への支援では、医療機関による治療・リハビリテーションや地域の障害福祉サービス機関による日中活動という生活支援等を行っている。医療機関で研究されている訓練プログラムの有効性は確認されているが、リハビリテーション専門職が殆ど配置されていない障害福祉サービス機関で同プログラムを援用することは難しい現状にある。
  • 本研究では、当該分野で実績・知見が蓄積されている病院の訓練プログラムを体系化し、リハビリテーション専門職の視点を織り込んだ支援プログラムを構築することで、地域の障害福祉サービス機関においても効果の高い生活支援を受けられる環境を整備することを目指す。
拠出額:2,300千円

後遺障害認定対策

公募による研究助成

「自動車事故医療研究助成」【公募】
  • 交通外傷に関する有益で有効な研究を支援することで、医療の進歩に資することが期待される。
  • 助成は、課題を定めずに募集する「一般」と時宜に適った課題を複数特定して募集する「特定課題」の2種類とする。
  • 助成テーマは、学識経験者で構成する選定委員会において決定する。
拠出額:77,000千円

医療費支払適正化対策

医療費支払適正化の取組み

「医療費支払適正化のための医療研修」【(一社)日本損害保険協会】
  • 損保会社等の自動車損害調査担当者向けに交通事故医療に関する研修を行い、医療費支払いの適正化を図る。
  • 研修は、社員向けとして4コース(応用、研究、判例研究、特科A,B,Cコース)、弁護士向けとして1コース(弁護士メディカルコース)を設けて実施する。
拠出額:104,510千円
「自賠責保険診療報酬基準案普及促進費」【(一社)日本損害保険協会】
  • 自賠責保険の支払保険金の適正化のため、「自賠責保険診療報酬基準案」を全国で普及させ、医療費支払いの適正化を図る。
  • 各地区において普及率向上に向けた活動等を行う。
  • 1984年12月の自賠責保険審議会答申の指摘に基づき実施している。
拠出額:19,300千円
「民間医療機関の医師等への自賠責保険制度・運用等に関する研修」【(公社)日本医師会】
  • 医師等に対し自賠責保険制度・運用等に関する研修を全国各地で実施し、医療費支払いの適正化を図る。
  • 2000年6月の自賠責保険審議会答申の指摘に基づき実施している。
拠出額:9,000千円