2025年度 自賠責運用益拠出事業一覧

自動車事故防止対策

交通事故防止のための啓発・教育

飲酒運転防止のための啓発事業支援【(NPO)ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)
  • 飲酒運転による事故は厳罰化などによって減少傾向にはあるが、未だ飲酒運転による重大な事故が発生している。
  • 2014年6月にアルコール健康障害対策基本法が施行されたことも踏まえ、広く一般市民向けに公開スクーリングや啓発活動を行い、飲酒運転防止を呼びかける。
拠出額:6,000千円
地域の安全を守る「高齢者安全運転点検・助言」の実施と「中学生の交通事故防止自己学習システム」の構築【(NPO)安全と安心 心のまなびば】
  • 高齢化により運転リスクが高まることに対し、高齢者が自身の認知能力・身体能力・運動能力を把握し、安全意識の向上とともに安全な運転行動寿命を延伸できるよう、「高齢者安全運転点検・助言プロジェクト」を実行する。
  • 自転車通学などで交通ルールに触れはじめ、将来ドライバーとなる中学生に対し、「命と交通安全」に対する意識向上を図るため、「事故防止自己学習システム」を構築して交通安全、マナー、ルール等の課題を学ぶ習慣を定着させる。
拠出額:5,000千円
オンラインを活用した全世代向け交通安全教育の拡充【(一財) 日本交通安全教育普及協会】
  • 2021~2023年度に研究した「オンラインを活用した交通安全教育手法の開発および普及」の成果物の拡充・普及を図る。
  • 成果物の拡充として、学校向けプラットフォームである「交通安全オンライン教室」を発展させ、「交通安全オンライン講習」を開設し、過去事業の実施結果やユーザーからの意見を取り入れ、コンテンツの追加を図る。
  • 本プラットフォームを活用した指導者を増やすため、マニュアルの作成・配布、講師派遣、研修実施を通じて指導者育成を図る。
拠出額:5,990千円
「健康と交通安全を考える高齢者ドライバーズ・クリニック(高齢者のための安全運転・健康診断)」実施の支援【(一財) 全日本交通安全協会】
  • 高齢運転者の身体機能のチェックは事故防止の観点から重要だが、現行の3~5年おきの免許更新の際の「認知機能検査」「講習」のみでは十分な状況ではない。
  • 当団体が実施する交通安全教室のイベント等の機会を活用し、容易かつ迅速に身体機能をチェックするよう誘導することで、医療機関への受診や安全運転等への気づきを提供することに取り組むことを支援する。
拠出額:19,012千円

交通事故防止機器の寄贈

交通事故防止用機器の寄贈【警察庁(都道府県警察)】
  • 警察への交通事故防止用機器の寄贈を通じ、交通事故の防止・抑制を図る。寄贈機器は、運転者疑似体験教育装置、運転能力診断装置、視野障害対策装置、可搬式速度違反自動取締装置とする。
  • 例えば、「運転者擬似体験教育装置」は、実際にハンドルやブレーキ操作を行って様々な交通状況での自動車の運転を疑似体験することができ、危険予測能力と交通安全意識の向上が期待される。
拠出額:45,870千円

交通事故防止に関する研究支援

体調起因性事故予防に向けた効果的なドライバーモニタリング及び運転支援技術の検討【(一社)日本交通科学学会】
  • 自動運転技術が進歩し、安全運転に関わる監視や対応主体がシステムになっても、運転者はシステムの介入要求時に適切に対応することが求められるため、運転者の居眠りや急な体調変化にも適切に対応できる効果的なドライバーモニタリングシステム及び運転支援技術を検討する。
  • これまでに積み重ねてきた「体調起因性事故」の防止対策の成果を、自動運転技術にも反映させる試みであり、今後の事故防止対策に実践的に寄与し、広く普及されることが期待できる。
拠出額:7,000千円
自動車運転に必要な視覚認知機能を向上させる仮想現実シミュレーションを用いたビジョントレーニングの構築と効果検証【国立研究開発法人国立長寿医療研究センター】
  • 2021~2023年の研究で「運転を中止した高齢者は要介護状態になるリスクが7.8倍高いこと」「実車トレーニング、ビジョントレーニング等の複合的プログラムにより、高齢者の運転技能が向上すること」を明らかにした。
  • 本研究では、自動車運転において重要である視覚認知を向上させることを目的として、仮想現実(VR:virtual reality)を用いて大規模人数に適用可能なビジョントレーニングプログラムを開発し、高齢者の運転技能を向上させる環境を整備する。
拠出額:12,019千円
横滑り防止装置(ESC) の横運動に連係した加減速制御(G-Vectoring Control)によるAEB装置(衝突被害軽減ブレーキ装置)作動時の事故防止技術の実用化【神奈川工科大学】
  • 最新の先進安全自動車(ASV)には、様々なセンサーやエンジン、ブレーキシステムを組み合わせて、前方の車両等に衝突することを自動で防止するAEB装置(衝突被害軽減ブレーキ装置)、ならびに急なハンドル操作による車両姿勢の乱れを安定させるESC(横滑り防止装置)が搭載されている。現行の先進安全自動車は、AEBとESCとが連係制御されていないため、AEBが作動するような緊急事態の状況下で、ドライバーが事故を回避しようと急ハンドルを切ってもESCによる車両制御がされていないため、事故を回避できない可能性がある。本研究では、研究担当者が開発した横運動を加減速制御する技術(G-Vectoring Control)を用いて、ドライバーの危機回避動作に対して横方向に制御できるようにシステム(ESC)の機能向上を図り事故回避装置の機能を高める共に、ドライバーの人間本来の危機回避動作を支援し、自動車事故の防止または軽減を図るものである。
拠出額:12,000千円
交通事故低減を目的とした路面摩擦情報のデータベース化と車両前方路面摩擦推定システムの開発【(一社)先進路面摩擦データベース研究組合】
  • 交通事故の削減のためには、路面と路面最大摩擦特性の変化(雪氷路等)を連続的に測定する必要があるが、従来はピンポイントでの調査しか実施できなかった。本研究では、連続的な測定を可能とする装置を用いて、事故発生に関係すると予想される道路位置に対する摩擦係数の変動を連続的に計測することで、事故の原因解明に資するデータベースの整備、システムの開発に取り組む。
拠出額:18,000千円
子どもを含む運転免許を保有しない歩行者対象の安全教育と効果の持続性に関する研究【(一財)日本自動車研究所】
  • 運転免許を保有しない歩行者の交通事故状況や学習の機会を調べ、子どもを含む免許非保有の歩行者を対象に交通安全に関する知識や技能等の習得状況を質問紙調査などで定量的に把握する。
  • また、保護者を対象とするインタビュー調査により、子どもの飛び出しや発達障がい児と交通とのかかわりに関する個別事例を収集し、エピソード記述法等の質的研究を交通安全に関連する調査にはじめて導入する。
  • これらを用いた検討により、子どもを含む免許非保有の歩行者に対する交通安全教育の効果とその持続性に関する影響要因を抽出し、持続的効果の 要因を整理するとともに、学習の場を提案する。また、質的資料をまとめることで、交通事故に対して不安を抱く人々の精神的安定に資する資料を 蓄積する。
拠出額:5,200千円
認知機能の低下に起因する自動車事故の抑止を目的としたマルチモーダル認知症セルフチェックシステムに関する研究【徳島大学】
  • スマートフォン端末を使って簡単に利用できる機能セルフチェックシステムを開発する。これを利用することにより、認知症の早期発見が可能になり、運転免許の適切な返納や認知機能の衰えを原因とした自動車事故を未然に防止することに貢献する。
  • 本システムは、AIによるマルチモーダル情報解析技術を応用し、複数のモダリティを利用することで認知機能の予測精度を向上させ、かつAI対話機能や利用者個人に最適化された活動の提案を行う。
拠出額:7,900千円
交通弱者の横断歩道上における交通事故根絶を目的とする歩車分離式信号機の効果と歩行者の信号待機時間への影響に関する研究【(地独)東京都立病院機構 東京都立広尾病院】
  • 警察庁が導入を推進する歩車分離式信号機の事故防止効果の検証および導入が進まない原因を調査し、結果を学会で発表のうえ、行政や交通安全に関わる関係機関に対して適切な提言を行う。
  • 具体的には、東京都内及び埼玉県内で歩車分離式信号機が新規に導入された交差点を対象として事故発生状況の変化、事故の内容を調査する。また、歩車分離式信号機の導入により増加が懸念される信号無視の発生状況に関して、同程度の交通量・規模の交差点との発生件数を比較する現地調査も行う。
拠出額:5,354千円

救急医療体制の整備

救命救急医療機器・機材の寄贈

救急医療機器購入費補助【日本赤十字社】
  • 医療収入以外の収入を主に寄付に依存する公的病院に対して交通外傷に有効な医療機器の購入費を補助することにより、救命率の向上、医師・患者の負担軽減を図る。
拠出額:134,917千円
救急医療機器購入費補助【(社福)済生会】
  • 医療収入以外の収入を主に寄付に依存する公的病院に対して交通外傷に有効な医療機器の購入費を補助することにより、救命率の向上、医師・患者の負担軽減を図る。
拠出額:107,591千円
救急医療機器購入費補助【(社福)北海道社会事業協会】
  • 医療収入以外の収入を主に寄付に依存する公的病院に対して交通外傷に有効な医療機器の購入費を補助することにより、救命率の向上、医師・患者の負担軽減を図る。
拠出額:14,550千円
救命救急センターへの救急医療機器購入費補助【(一社)日本外傷学会】
  • 交通事故による重症患者が搬送される救急救命センターにおける救急医療機器の購入を支援し、救急医師の負担軽減、患者の病態改善に迅速に対応し、防ぎえた死亡の減少を図る。
  • 本事業では、日本外傷学会内に支援病院の選考委員会を組織して選定する。なお、選定機器は救命率向上に有効な機器とする。
拠出額:120,000千円
高規格救急自動車の寄贈【消防庁】
  • 被害者救済に直結する高規格救急自動車を寄贈する。高規格救急自動車の普及により、救急救命士による応急措置の高度化、救命率の向上が期待される。
  • 普及率は一定の水準に達したが、耐用期間満了による救急医療体制の後退を防ぐ観点から、2013年度から寄贈台数を減車し、継続して寄贈する。
拠出額:30,000千円

救急医師・救急看護師の育成等

救急外傷診療の研修会費用補助【(NPO)日本外傷診療研究機構】
  • 外傷診療を行う医療従事者を対象とする「救急外傷における適切な標準治療に関する研修会」開催費用を補助し、救急医療体制の整備を図る。防ぎえた死亡を減少させることが期待される。
拠出額:10,000千円
救急外傷看護の研修会費用補助【(一社)日本救急看護学会】
  • 外傷看護を行う看護師を対象とした「救急外傷患者看護に関する研修会」開催費用を補助し、救急医療体制の整備を図ることで、防ぎえた死亡を減少させることが期待される。
拠出額:8,500千円
交通外傷で受傷した開放骨折患者に明るい未来をもたらす日本全国で運用可能な外傷ネットワークの構築【慶應義塾大学医学部救急医学】
  • 緊急手術を要する開放骨折治療に対する正しい知識を救急隊、整形外科が効率的に学べる教育システムと教科書を構築・作成し、その教科書に準じたアプリケーションを開発する。そのアプリケーションを用いた外傷ネットワークのモデルを構築し、地域を限定して実際に運用することにより効果を検証する。その効果を踏まえ、AIを用いた全国で運用可能な搬送システムの構築を検討する。
  • 開放骨折患者については感染対策の観点からより緊急性が高いことから、当該患者の予後や人生を大きく左右する迅速かつ的確な搬送対策は必要性が高い。
拠出額:10,000千円
外傷外科医と外傷外科手術チームの養成事業(SSTT標準コース開催事業)【(一社)SSTT運営協議会】
  • 致死的外傷患者を救命するには外傷外科に特化したトレーニングを受けた外傷外科チームの存在が不可欠とされているが、外傷外科に精通した看護師はわが国には極めて少ない。
  • 本事業では、日本に不足する専門的な外傷外科医と外傷外科に精通した看護師による外傷外科チームを養成するSSTT(Surgical Strategy and Treatment for Trauma)標準コースの運営を支援することにより、交通事故死者ならびに後遺症患者の減少に寄与する。
拠出額:8,216千円
日本病院前救急診療医学会ドクターカー研修会事業【(一社)日本病院前救急診療医学会】
  • 全国の病院でドクターカーが運用され、運用件数が増加している。交通事故と外傷における「防ぎ得る外傷死」を撲滅するため、安全運行と病院前診療の質を高めるための教育研修事業を、全国のドクターカーに従事する関係者を一堂に集めて行う。
拠出額:3,500千円

ドクターヘリ事業の推進

ドクターヘリ講習会費用補助【(一社)日本航空医療学会】
  • ドクターヘリ関係者(医師・看護師・運行者等)を対象とした「ドクターヘリ講習会」開催費用を補助し、救急医療体制の整備と被害者救済を図る。救命率の向上、医療費の削減等が期待される。
拠出額:3,500千円
ヘリコプターを活用した救急医療システム構築のための事業補助【(NPO)救急ヘリ病院ネットワーク】
  • 救急ヘリコプターに関する広報誌「HEM-Netプラザ」の発刊・配布、ホームページ等を通じた広報・啓発活動を支援する。
  • 救急ヘリコプターによる医療効果は高いとされており、その重要性と必要性について、社会一般の認識・理解を一層高め、ドクターヘリの普及・円滑な運行に寄与する。
拠出額:7,000千円

自動車事故被害者対策

交通事故相談等への支援

交通事故無料相談事業支援【(公財)交通事故紛争処理センター】
  • 交通事故による当事者間の紛争の適切な処理に資するため、同センター嘱託弁護士による無料の法律相談、和解あっ旋等の事業を支援する。
  • 保険会社の利益に属さない自賠責運用益を活用することで、中立的な立場から事業を行い、迅速な紛争解決を図ることが期待される。
拠出額:735,154千円

交通遺児への支援

損害賠償金による交通遺児育成基金事業支援【(公財)交通遺児等育成基金】
  • 交通遺児の賠償金を効率的・安定的に運用して、遺児育成のための資金を長期にわたり定期的に給付する制度を支援し、交通遺児の保護・救済に資する。
拠出額:19,327千円
交通遺児への奨学金支給補助【(公財)交通遺児育英会】
  • 交通遺児家庭の生活の支えとして、高校や大学等への進学のための奨学金貸与の要請は高まっているが、金融環境の悪化等により本育英会の運営は不安定な状況にある。
  • 本育成会の交通遺児就学支援事業(奨学金貸与等)を支援することにより、交通遺児の教育の機会均等を図る。
拠出額:30,000千円

被害者・家族等の心のケア、講習会の支援

交通事故被害者への情報提供・研修会等開催費用補助【自動車事故被害者団体等】
  • 交通事故による被害者やその家族に対する情報提供を目的とした研修会・勉強会の開催費用を補助する。研修会・勉強会を通じて、交通事故被害者やその家族に対する適切な情報提供、意見交換、交流が期待される。
拠出額:12,000千円
被害者・その家族等の心のケア推進事業支援【(公社)全国被害者支援ネットワーク】
  • 交通事故等の被害者支援活動を推進するための広報活動(「被害者支援ニュース」および「被害者の声」の発行)を支援する。
  • 広報活動を通じて被害者支援の理解を深めることで、交通事故被害者の支援活動の充実が期待される。
拠出額:2,100千円
遷延性意識障害者の家族の介護に関する講演会および勉強会開催費用補助【(一社)日本意識障害学会】
  • 遷延性意識障害(植物症)の患者を介護する家族への情報提供の場として講演会・勉強会を開催し、全国における事例等、介護に関する種々の情報を提供する。遷延性意識障害者とその家族が直面する課題等への支援が期待される。
拠出額:2,000千円
リハビリテーション講習会開催費用補助【リハビリテーション病院等】
  • 交通事故による脳外傷や脊椎損傷などで重度後遺障害を被った被害者やその家族に対する講習会費用を補助する。各都道府県で実施する講習会を通じて、適切な情報提供、意見交換、交流が期待される。
拠出額:40,000千円
脊髄損傷当事者によるピアサポート事業支援【(公社)全国脊髄損傷者連合会】
  • ピアマネージャー(治療やリハビリを終えて社会復帰した先輩の脊髄損傷者)による脊髄損傷者のためのピアサポート活動(注)を支援する。脊髄損傷者への情報提供、早期社会復帰が期待される。
    (注)リハビリセンター・医療機関等に入院中の脊髄損傷者およびその家族を対象としたグループ相談会開催、ピアマネージャーの派遣、病院・自宅等個別訪問、ロールモデル(社会復帰をとげた脊髄損傷者)の派遣及び講演会の実施、ピアマネージャーの現任研修会の実施等。
拠出額:22,000千円
脊髄損傷の再生医療に関する勉強会開催費用補助【(NPO)日本せきずい基金】
  • 脊髄損傷治療における再生医療に関する勉強会の開催費用を補助する。
  • 従来、脊髄損傷の治療は不可能とされてきたが、ES細胞・iPS細胞の技術開発により、臨床試験が実施されている。同勉強会を通じ、脊髄損傷治癒の展望や、早期リハビリテーションによる傷害重度化の予防などシスティマティックなケア・システムを確立するための当事者・家族の理解を深める情報提供の場とする。
  • 将来的に急性期から慢性期まで一貫した医療とリハビリを提供する脊髄損傷センターの整備を目指す。
  • 脊髄損傷者の実態調査を実施し、慢性期脊髄損傷患者の治療、リハビリテーション、生活指導等に脊髄損傷者に特化したQOL評価の指標を活用する。
拠出額:8,000千円
「グリーフケア人材養成講座の運営支援・受講料補助」【(学)上智学院】
  • 交通事故等により家族を失った遺族等の悲嘆に寄り添う人材を育成するため、グリーフケア人材養成講座の運営を支援する。また、交通事故遺族関係者が本講座を受講する場合、受講料の一定額を補助する。
  • グリーフケア人材の養成により、交通事故被害者遺族等の「心のケア」の推進に資することが期待される。
拠出額:12,000千円
高次脳機能障害者のピアサポート活動支援に関する事業【(一社)どんまいネットみやぎ】
  • 高次脳機能障害者のピアサポートの研究事業では、同じ高次脳機能障害を負った人がたどった経験を伝えることで、伝え手と受け手の双方が自身の障害を相対化・客観視し、障害を受け入れて未来を描くことが社会復帰に向けて有効であることが示されている。
  • 本事業では、研究事業で示された、自身の経験を伝えることに挑戦し、情報発信することを実践する。
拠出額:5,000千円
頸髄損傷者に対するセルフヘルプ事業【全国頸髄損傷者連絡会】
  • 当該団体が取り組む、セルフヘルプ(注)、ピアサポート活動、勉強会の活動を支援する。
  • また、頸髄損傷者の基本的問題に関する調査活動に対して支援を行う。
    (注)セルフヘルプとは、「共通の体験」を通じて活動し、自分自身の生き方を自らが見出していくこと。同じ体験をした人たちが出会い、悩みや苦しみ、また自分たちがそれにどうやって対処してきたかを伝えあい、同じ体験をした自分たち自身でサポートすること。
拠出額:4,449千円

交通事故被害者対策に関する研究支援

車いす移動車利用時の車椅子簡易固定システムの社会実装に向けた研究【(一社)日本福祉車輌協会】
  • 自動車事故による脊髄損傷等の障害により、車椅子を利用する交通事故被害者が多く存在する。
  • 車椅子移動車は通所介護施設等で多く利用されているが、固定にあたり手間がかかっているため、正しく使われていないケースが一定ある。簡易に固定できる「車椅子簡易固定システム」の検証を行い、脊髄損傷者など車椅子利用者のQOL向上のための支援とする。
拠出額:12,100千円
障害者等の新規運転免許取得及び中途障害者の運転再開による社会参加と運転寿命の延伸に向けた障害者等への支援事業【(一社)全日本指定自動車教習所協会連合会】
  • 四肢及び体幹機能障害や高次脳機能障害等の障害を持つ方が運転免許を取得するための教習や中途障害となった方の運転再開の指導を行う教習所に対し、教習に必要な運転補助装置の配備を行う。
  • これらの装置を活用し、運転免許の取得や継続、さらには適切な教育を行うことにより、運転寿命を延伸させることで、障害者の社会参加の促進を図る。
拠出額:10,570千円
高次脳機能障害者の社会復帰支援に関する研究事業【(一社)日本脳損傷者ケアリング・コミュニティ学会】
  • 脳損傷者の主体性の変遷とそれを育む実践のあり方を探求する。
  • 支援機器を通した支援が、高次脳機能障害者の社会復帰支援にどのような影響を及ぼすか事例検討を積み上げて検証する。
  • 社会復帰を果たした高次脳機能障害者のナラティブ(物語)動画がいかに当事者支援となるか効果検証をする。
拠出額:1,200千円
外傷患者(交通外傷)の社会復帰率を最大化するためのテーラーメイド型社会復帰支援システムの構築【東海大学】
  • 日本全国救命救急センターで外傷患者の症例登録を行い、大規模コホートの長期予後を2年間限定で追跡しているが、本事業により、追跡期間を3年間延長(総追跡期間5年間)することで、社会的患者背景・PRO(患者報告アウトカム)を中心とした「包括的長期予後データベース」を拡張・拡大させるともに、複数の臨床情報と自動車事故形態データを組み合わせて分析することで、「長期予後の実態把握」、「長期予後関連因子の解明」および「長期予後予測モデルの構築」を行い、交通外傷をはじめとする外傷患者の社会状況に応じた『テーラーメイド型社会復帰支援システム』を確立し、外傷患者の社会復帰率向上を最大化・被害の低減に取り組む。
拠出額:3,510千円
MRIにおける頚椎加齢変化の縦断的研究【慶應義塾大学】
  • 30年前に横断的に調査したむち打ち損傷患者、健常者、各500名の縦断的に調査し、頚椎MRIと診察を元にむち打ちの損傷の長期予後を検討する。過去に20年の長期経過を報告したが、本研究により30年間という世界に例のない長期の頚椎加齢変化を明らかにすることで、公衆衛生学的、交通医学的に重要な研究となることが期待される。
拠出額:20,000千円
交通事故遺族へのグリーフケア推進に向けた基盤整備のための研究【関西学院大学】
  • 交通事故遺族を対象とし、彼らが直面する諸問題のうち、特に心理社会的影響に注目し、それに応じたグリーフケアのあり方について検討する。交通事故遺族へのグリーフケアを推進するための基盤整備に向けて、交通事故による死別が遺族に及ぼす心理的影響や、交通事故遺族を対象とした心理社会的支援の効果、支援者の養成とネットワークの構築などについて研究する。
拠出額:8,500千円
交通死亡事故遺族に対するメタバースの活用に向けての調査研究【早稲田大学】
  • どのような交通死亡事故遺族がどのような場面でどのような目的をもってメタバースを活用して再現された故人と再会することがグリーフ・ケアの効果が高まるか、逆に、どのような形での故人との再会は避けなければならないかを、交通事故被害者を中心にアンケート調査を実施しその結果の分析を通して、特に倫理的法的社会的な課題(ELSI)を解決し、社会受容性を高めるための総合的研究。
拠出額:1,100千円
交通事故等による脳損傷者を対象とした水中環境における運動による当事者等の心理的変化の解明、各地域の支援プログラム構築の研究【(一社)輝水会】
  • 交通事故等による脳損傷者(高次脳機能障害及び身体障害)が、地域の既存のプールを利用し、定期的な水中活動を行う場と機会を定着させながら調査研究を行う。
拠出額:4,980千円

後遺障害認定対策

公募による医療研究助成

自動車事故医療研究助成【公募】
  • 交通外傷に関する有益で有効な研究を支援することで、医療の進歩に資することが期待される。
  • 助成は、課題を定めずに募集する「一般」と時宜に適った課題を複数特定して募集する「特定課題」の2種類とする。
  • 助成テーマは、学識経験者で構成する選定委員会において決定する。
拠出額:77,000千円

医療費支払適正化対策

医療費支払適正化の取組み

医療費支払適正化のための医療研修【(一社)日本損害保険協会】
  • 損保会社等の自動車損害調査担当者向けに交通事故医療に関する研修を行い、医療費支払いの適正化を図る。
  • 研修は、社員向けとして4コース(応用、研究、判例研究、特科A,B,Cコース)、弁護士向けとして1コース(弁護士メディカルコース)を設けて実施する。
拠出額:108,160千円
自賠責保険診療報酬基準案普及促進費【(一社)日本損害保険協会】
  • 自賠責保険の支払保険金の適正化のため、「自賠責保険診療報酬基準案」を全国で普及させ、医療費支払いの適正化を図る。
  • 各地区において普及率向上に向けた活動等を行う。
    ※1984年12月の自賠責保険審議会答申の指摘に基づき実施。
拠出額:19,300千円
民間医療機関の医師等への自賠責保険制度・運用等に関する研修【(公社)日本医師会】
  • 医師等に対し自賠責保険制度・運用等に関する研修を全国各地で実施し、医療費支払いの適正化を図る。
    ※2000年6月の自賠責保険審議会答申の指摘に基づき実施。
拠出額:9,000千円