2014年度 自賠責運用益拠出事業一覧

自動車事故防止対策

交通事故防止のための教育

「飲酒運転防止インストラクター養成事業支援」(ASK(アルコール薬物問題全国市民協会))
  • 常習飲酒者、アルコール依存症等による飲酒運転を撲滅させるために、アルコールに関し総合的な知識を持つ「飲酒運転防止インストラクター」を養成し、職場や地域での飲酒運転根絶に向けた取組みを支援する。
  • 飲酒運転事故の違法性・危険性について周知・徹底させる効果が期待される。
拠出額:2,500千円

交通事故防止機器の寄贈

「交通事故防止用機器の寄贈」(警察庁(都道府県警察))
  • 都道府県警察への交通事故防止関係機器の寄贈を通じ、交通事故の防止・抑制を図ることが期待される。
  • 機器は、常時録画式交差点カメラ、歩行者模擬横断教育装置、道路構造再現事故分析等装置とする。
    (注)交差点内での交通事故の録画装置。適正・迅速な事故調査、被害者保護に資するもの。
拠出額:64,746千円
「自転車事故防止のための交通安全教育支援」(全日本交通安全協会)
  • 自転車事故の9割は対自動車・二輪車事故であり、自転車利用者の増加、自転車の車道利用の徹底により、対自動車・二輪車事故の増加が懸念される。
  • 都道府県交通安全協会に自転車シミュレーター(20台)を寄贈し、交通安全教室等で活用することにより、自転車利用者に対して、自転車の安全な利用、ルール遵守等を徹底し、事故防止を図る。
拠出額:17,000千円

交通環境に関する研究・対策

「優先配慮行動を促す道路上のコミュニケーションと交通安全に関する研究」(筑波大学)
  • 道路上の自動車、自転車、歩行者間のコミュニケーション(アイコンタクト、会釈、挙手等)に着目し、その生起メカニズム、それを支援する街路デザイン、優先配慮行動のためのコミュニケーションを誘発、活性化する教材を開発する。
  • 上記の教材を開発し、効果を実証することで、今後の交通事故低減の一助となることが期待される。
拠出額:5,000千円

体調変化による事故防止

「体調変化に起因する事故を予防するためのモデル事業支援」(日本交通科学学会)
  • 2011〜2013年度事業として実施した「疾病等起因事故の調査研究」により、交通事故の5〜10%が運転者の体調変化に起因することを明らかにしている。
  • 本モデル事業では、運転中の体調変化に起因した事故を予防する具体的方法について、実態調査も踏まえて立案、実践し、啓発していく。
拠出額:6,000千円

救急医療体制の整備

救命救急医療機器・機材の寄贈

「救急医療機器購入費補助」(日本赤十字社)
  • 医療収入以外の収入を主に寄付に依存する公的病院に対して交通外傷に有効な医療機器の購入費を補助し(2/3相当額)、救急医療体制の整備を図る。救命率の向上、医師・患者の負担軽減が期待される。
  • 全国92病院のうち、87病院(94.6%)が救急告示を受けている。
拠出額:213,750千円
「救急医療機器購入費補助」(済生会)
  • 医療収入以外の収入を主に寄付に依存する公的病院に対して交通外傷に有効な医療機器の購入費を補助し(2/3相当額)、救急医療体制の整備を図る。救命率の向上、医師・患者の負担軽減が期待される。
  • 全国80病院のうち、69病院(84.1%)が救急告示を受けている。
拠出額:171,000千円
「救急医療機器購入費補助」(北海道社会事業協会)
  • 医療収入以外の収入を主に寄付に依存する公的病院に対して交通外傷に有効な医療機器の購入費を補助し(2/3相当額)、救急医療体制の整備を図る。救命率の向上、医師・患者の負担軽減が期待される。
  • 道内7病院すべてが救急告示を受けている。
拠出額:19,000千円
「救命救急センターへの救急医療機器購入費補助」(日本外傷学会)
  • 救急医療機器の導入を支援することで、救急医師の負担軽減、患者の病態改善に迅速に対応し、防ぎえた死亡を減少させることが期待される。
  • 日本外傷学会内に支援病院の選定委員会を組織し選定を行う。選定機器は救命率向上に有効な機器とする。
拠出額:120,000千円
「高規格救急自動車の寄贈」(消防庁)
  • 被害者救済に直結する高規格救急自動車の寄贈を通じ、救急医療体制の整備に資する。救急救命士による応急措置の高度化、救命率の向上が期待される。
  • 普及率は一定の水準に達したが、耐用期間満了による更新ニーズを勘案し、寄贈台数を5台とする。
拠出額:60,000千円

救急医師・救急看護師の育成

「救急外傷診療の研修会費用補助」(日本外傷診療研究機構)
  • 外傷診療を行う医療従事者を対象とする「救急外傷における適切な標準治療に関する研修会」開催費用を補助し、救急医療体制の整備を図る。防ぎえた死亡を減少させることが期待される。
  • 研修会は全国で年間36回開催予定。
拠出額:10,000千円
「救急外傷看護の研修会費用補助」(日本救急看護学会)
  • 外傷看護を行う看護師を対象とした「救急外傷患者看護に関する研修会」開催費用を補助し、救急医療体制の整備を図ることで、防ぎえた死亡を減少させることが期待される。
  • 研修会(プロバイダーコース)は全国で年間25回開催予定。
拠出額:8,500千円

ドクターヘリ事業の推進

「ドクターヘリ講習会費用補助」(日本航空医療学会)
  • 日本航空医療学会が行う「ドクターヘリ講習会」開催費用を補助し、救急医療体制の整備と被害者救済を図る。救命率の向上、医療費の削減等が期待される。
  • 講習会は年間2回開催予定。
拠出額:3,500千円
「ヘリコプターを活用した救急医療システム構築のための事業補助」(救急ヘリ病院ネットワーク)
  • 救急ヘリコプターに関する広報誌「HEM-Netグラフ」の発刊・配布、ホームページを通じた広報・啓発活動を支援する。
  • 救急ヘリコプターによる医療効果は高いとされており、その重要性と必要性について、社会一般の認識・理解を一層高めることが期待される。
拠出額:7,000千円

自動車事故被害者対策

交通事故相談等への支援

「交通事故無料相談事業支援」(交通事故紛争処理センター)
  • 交通事故による当事者間の紛争の適切な処理に資するため、同センター嘱託弁護士による無償の法律相談、和解あっ旋等の事業を支援する。
  • 保険会社の利益に属さない自賠責運用益を活用することで、中立的な立場から事業を行い、迅速・安価な紛争解決を図ることが期待される。
拠出額:876,642千円
「弁護士への医療研修」(交通事故紛争処理センター)
  • (公財)交通事故紛争処理センターの相談員(弁護士)を対象に最新の医療情報を提供する。一層公正で迅速・妥当な示談斡旋・裁定などの紛争解決を促進することが期待される。
拠出額:2,500千円

交通遺児の支援

「損害賠償金による交通遺児育成基金事業支援」(交通遺児等育成基金)
  • 交通遺児の賠償金を効率的・安定的に運用して、遺児育成のための資金を長期にわたり定期的に給付する制度(注)を支援する。交通遺児の保護・救済に資することが期待される。
    (注)加入者本人の拠出金に助成金を上乗せした資産を一定の利率で運用し、交通遺児が満19才に達するまでの間、育成給付金を支給するもの。
拠出額:42,961千円
「交通遺児への奨学金支給補助」(交通遺児育英会)
  • 近年の金融環境悪化により、交通遺児育英会の財産運用収入は減少し、一般寄付も減少している。他方、交通遺児家庭、特に母子家庭の生活を支えるために、高校から大学院までの奨学金貸与の要請は高まっている。
  • 同育英会に支援することで、奨学金貸与の維持、教育の機会均等を図ることが期待される。
拠出額:30,000千円

被害者・家族等の心のケア、講習会の支援

「遷延性意識障害者の家族の介護に関する講演会および勉強会開催費用補助」(日本意識障害学会)
  • 遷延性意識障害(植物症)の患者を介護する家族への情報提供の場として、講演会・勉強会を開催し、全国における事例を紹介して、介護に関する種々の情報を提供する。遷延性意識障害者とその家族が直面する課題等への支援が期待される。
  • 講演会・勉強会は年間6回開催予定。
拠出額:1,500千円
「リハビリテーション講習会開催費用補助」(リハビリテーション病院等)
  • 自動車事故による脳外傷や脊椎損傷などで重度後遺障害を被った被害者やその家族に対する講習会費用を補助する。講習会(注)を通じて、適切な情報提供、意見交換、交流が期待される。
    (注)各都道府県のリハビリテーション病院を中心に、医師、医療・福祉関係者、家族、行政機関等で構成する講習会実行委員会を立ち上げ、企画・運営されている。
拠出額:41,000千円
「脊髄損傷当事者によるピアサポート事業支援」(全国脊髄損傷者連合会)
  • 脊髄損傷者(ピアマネージャー)による脊髄損傷者のためのピアサポート活動(注)を支援する。脊髄損傷者への情報提供、早期社会復帰が期待される。
    (注)リハビリセンター・医療機関等に入院中の脊髄損傷者およびその家族を対象としたグループ相談会開催、ピアマネージャーの派遣、病院・自宅等個別訪問、ロールモデル(社会復帰をとげた脊髄損傷者)の派遣及び講演会の実施、ピアマネジャーの現任研修会の実施等。
拠出額:5,455千円
「被害者・その家族等の心のケア推進事業支援」(全国被害者支援ネットワーク)
  • 交通事故等の被害者支援活動を推進するための広報活動(「犯罪被害者支援ニュース」および「被害者の声」の発行)を支援する。
  • 広報活動の充実により犯罪被害者支援の理解を深めることで支援活動の充実が期待される。
拠出額:2,100千円
「交通事故被害者への情報提供・研修会開催費用補助」(全国被害者支援ネットワーク)
  • 自動車事故による被害者やその家族に対する情報提供を目的とした研修会・勉強会の開催費用を補助する。研修会・勉強会を通じて、交通事故被害者やその家族に対する適切な情報提供、意見交換、交流が期待される。
拠出額:8,500千円
「高次脳機能障害ファシリテーター養成講座」(高次脳機能障害支援ネット)
  • 高次脳機能障害者支援の専門家の育成支援を目的として、医師、看護師、理学療法士、作業療法士などの専門職を対象に全国各地で開催する講習会を支援する。
  • 専門家の充実が図られると共に、当事者と家族を交えた実習形式を取り入れることで、地域における支援者と当事者の連携を深めることが期待される。
拠出額:10,000千円
「訪問看護師の育成と活用促進事業支援」(日本訪問看護財団)
  • 訪問看護師を増やし、訪問看護サービスを充実強化することは喫緊の課題であるため、全国の潜在看護師および医療機関等に勤務する看護師を対象とする研修会の実施とその教材の製作を支援する。
  • 併せて、現在、訪問看護等在宅ケアに関する電話相談事業を支援する。
  • 訪問看護師の数・質が向上することで、在宅療養者およびその家族への支援の拡大が期待できる。
  • また、自動車事故被害者の訪問看護師利用の実態調査を行い、訪問看護師活用の推進策を検討する。
拠出額:9,990千円
「グリーフケア人材養成講座の運営支援・受講料補助」(上智学院)
  • 交通事故等により家族を失った遺族等の悲嘆に寄り添う人材を育成するため、上智大学グリーフケア人材養成講座の運営を支援する。
  • また、交通事故遺族関係者が本講座を受講する場合、受講料の一定額を補助する。
  • グリーフケア人材を養成することによって、交通事故被害者遺族等の「心のケア」の推進に資することが期待される。
拠出額:12,000千円

研究支援

「高次脳機能障害者の自動車運転再開認定基準の策定」(産業医科大学)
  • 脳卒中患者の自動車運転に関しては我が国でも多くの報告はあるが、脳卒中や高次脳機能障害に対する統一的な運転再開基準や確立された評価法はなく、実態として運転再開者の事故を防止することはできていない。
  • このため、これまでの研究の成果を今後の学際的な臨床研究に反映することで、より精緻な自動車運転再開認定に資するプログラムや基準が示されることが期待できる。
拠出額:8,300千円
「学童期・青年期にある高次脳機能障害者に対する総合的な支援に関する研究」(富山県社会福祉総合センター)
  • 交通事故等により小児期に発症した高次脳機能障害児・者に対する支援は未だ十分ではないことから、学童期の集団活動に必要なプログラム、医療機関と教育機関の支援の連携、家族支援プログラムの検討を行う。
  • 本研究により支援モデルを作成し全国に普及することで、高次脳機能障害児・者の支援の質の向上が期待できる。
拠出額:12,000千円

後遺障害認定対策

公募による研究助成

「自動車事故医療研究助成」(公募(一般))
  • 交通外傷に関する医療研究のテーマを募り、有益で有効な研究を支援することで、医療の進歩に資することが期待される。
  • 2013年度は146件の応募に対し34件の採用を行った。研究期間は1年。医学界の専門家で構成される選考委員会において選定される。
拠出額:40,000千円
「自動車事故医療研究助成」(公募(特定課題))
  • 時機に適った研究課題を複数特定して募集し、有益で有効な研究を支援することで、医療の進歩に資することが期待される。
  • 2013年度は課題3テーマを設定し8件の採用を行った。研究期間は2〜3年。一般公募と同様に医学界の専門家で構成される選考委員会において選定される。
拠出額:30,000千円

医療費支払適正化対策

医療費支払適正化の取組み

「医療費支払適正化のための医療研修」(日本損害保険協会)
  • 交通事故医療に関する研修を通じ、医療費支払いの適正化を図る。対象者は、損保会社等の自動車損害調査担当者。
  • 応用、研究、上級、専門の4つのコースを設けて実施している
拠出額:103,012千円
「自賠責保険診療報酬基準案普及促進費」(日本損害保険協会)
  • 1984年12月の自賠責保険審議会答申の指摘に基づき、「自賠責保険診療報酬基準案」を全国で普及させ、医療費支払いの適正化を図る。自賠責保険の支払い保険金の適正運営のために有意義な事業である。
  • 既実施地区において普及率アップに向けた活動等を行う。
拠出額:45,000千円
「民間医療機関の医師等への自賠責保険制度・運用等に関する研修」(日本医師会)
  • 医師等に対し自賠責保険制度・運用等に関する研修を全国各地で実施し、医療費支払いの適正化を図る。
  • 2000年6月の自賠責保険審議会答申の指摘に基づき実施しているもの。
拠出額:9,000千円