2012年度 自賠責運用益拠出事業一覧

自動車事故防止対策

交通環境に関する研究・対策

「生活圏での事故対策とモデル事業の実施」(交通工学研究会)
  • 生活圏での事故多発箇所において、その原因調査を踏まえ、可能な範囲で、改善のモデル事業を実施し、対策の有効性等について効果評価を行う。併せ、地域に根ざした安全対策の専門家を育成する。
  • 事故軽減に資する実証データの提示、有効な事故対策の提言、人材育成が期待される。
拠出額:14,500千円
「交通安全のための街づくりに関する研究」(日本都市計画学会
  • 各地の都市政策のマスタープランとして採用されている持続可能な集約型都市構造が、交通安全にどの程度寄与するか調査分析し、都市計画段階で導入すべき交通安全上の具体的な施策を検討する。
  • 高齢者の安全な移動手段の確保に寄与することが期待される。
拠出額:6,000千円

交通事故と疾病の関係調査

「疾病等起因事故の調査研究」(日本交通科学学会
  • 従来の交通統計では捕捉できていないものの、潜在的に多発しているとされる疾病等起因事故について、その実態を明らかにし、疾病等が原因となる事故への対策及び支援を医学面、工学面から検討することで、事故を未然に防止する体制構築に資するもの。
拠出額:9,000千円

交通事故防止のための教育

「免許取得前の若者に対する交通マナーの教育普及」(日本交通安全教育普及協会)
  • 免許取得前の若者に対し、その内面や心情に働きかける、教育効果を高い映像などの教材・器具の検討・開発を行う。
  • 歩行者・自転車・自動車それぞれの視点での道路利用におけるマナーの普及、安全意識の向上を図ることで、若年層の交通事故全般の防止・軽減に資することが期待される。
拠出額:5,000千円

飲酒運転の撲滅

「飲酒運転根絶に向けた取組み支援」(ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)
  • 常習飲酒者、アルコール依存症等による飲酒運転を撲滅させるために、アルコールに関し総合的な知識を持つ「飲酒運転防止インストラクター」を養成し、職場や地域での飲酒運転根絶に向けた取組みを支援する。
  • 飲酒運転事故の違法性・危険性について周知・徹底させる効果が期待される。
拠出額:5,700千円

交通事故防止機器の寄贈

「交通事故防止用機器の寄贈」(警察庁(都道府県警察))
  • 都道府県警察への交通事故関係機器の寄贈を通じ、交通事故の防止・抑制を図ることが期待される。
  • 機器は、交通事故自動記録装置(注)、歩行者模擬横断教育装置、自転車模擬運転教育装置等とする。

(注)交差点内での交通事故の録画装置。適正・迅速な事故調査、被害者保護に資するもの。

拠出額:77,927千円

救急医療体制の整備

救命救急医療機器・機材の寄贈

「救急医療機器購入費補助」(日本赤十字社
  • 医療収入以外の収入を主に寄付に依存する公的病院に対して交通外傷に有効な医療機器の購入費を補助し(2/3相当額)、救急医療体制の整備を図る。救命率の向上、医師・患者の負担軽減が期待される。
  • 全国92病院のうち、87病院(94.6%)が救急告示を受け、損害保険料率算出機構の再診断委嘱病院、交通事故紛争処理センターの委嘱病院としても機能している。
拠出額:250,000千円
「救急医療機器購入費補助」(済生会
  • 医療収入以外の収入を主に寄付に依存する公的病院に対して交通外傷に有効な医療機器の購入費を補助し(2/3相当額)、救急医療体制の整備を図る。救命率の向上、医師・患者の負担軽減が期待される。
  • 全国82病院のうち、69病院(84.1%)が救急告示を受け、損害保険料率算出機構の再診断委嘱病院としても機能している。
拠出額:200,000千円
「救急医療機器購入費補助」(北海道社会事業協会
  • 医療収入以外の収入を主に寄付に依存する公的病院に対して交通外傷に有効な医療機器の購入費を補助し(2/3相当額)、救急医療体制の整備を図る。救命率の向上、医師・患者の負担軽減が期待される。
  • 道内7病院すべてが救急告示を受けている。
拠出額:22,000千円
「救命救急センターへの救急医療機器購入費補助」(日本外傷学会
  • 救急医療機器の導入を支援することで、救急医師の負担軽減、患者の病態改善に迅速に対応し、防ぎえた死亡を減少させることが期待される。
  • 日本外傷学会内に支援病院の選定委員会を組織し選定を行う。選定機器は救命率向上に有効な機器とする。
拠出額:100,000千円
「高規格救急自動車の寄贈」(消防庁)
  • 被害者救済に直結する高規格救急自動車の寄贈を通じ、救急医療体制の整備に資する。救急救命士による応急措置の高度化、救命率の向上が期待される。
  • 消防庁の整備目標である「全救急隊の85%に高規格救急自動車を配備する」計画を支援していくこととし、寄贈数は10台とする。
拠出額:110,000千円

救急医師・救急看護師の育成

「救急外傷診療の研修会費用補助」(日本外傷診療研究機構
  • 外傷診療を行う医療従事者を対象とする「救急外傷における適切な標準治療に関する研修会」開催費用を補助し、救急医療体制の整備を図る。防ぎえた死亡を減少させることが期待される。
  • 研修会は全国で年間30回開催予定。
拠出額:10,000千円
「救急外傷看護の研修会費用補助」(日本救急看護学会
  • 外傷看護を行う看護師を対象とした「救急外傷患者看護に関する研修会」開催費用を補助し、救急医療体制の整備を図ることで、防ぎえた死亡を減少させることが期待される。
  • 研修会は全国で年間20回開催予定。
拠出額:8,500千円

ドクターヘリ事業の推進

「ドクターヘリ講習会費用補助」(日本航空医療学会
  • 日本航空医療学会が行う「ドクターヘリ講習会」開催費用を補助し、救急医療体制の整備と被害者救済を図る。救命率の向上、医療費の削減等が期待される。
  • 講習会は年間2回開催予定。
拠出額:3,500千円
「ヘリコプターを活用した救急医療システム構築のための事業補助」(救急ヘリ病院ネットワーク)
  • 救急ヘリコプターに関する広報誌「HEM-NETグラフ」の発刊・配布、ホームページを通じた広報・啓発活動を支援する。
  • 救急ヘリコプターによる医療効果は高いとされており、その重要性と必要性について、社会一般の認識・理解を一層高めることが期待される。
拠出額:7,000千円
「救急ヘリコプター導入病院のフライト医師・看護師等の養成費用補助」(救急ヘリ病院ネットワーク)
  • 「ドクターヘリ特別措置法」に基づき登録された助成金交付法人に拠出することを通じ、救急ヘリコプターを導入する病院のフライト医師・看護師・運航責任者の教育研修費用を支援する。
  • 救命率の向上、医療費の削減等が期待される。
拠出額:10,000千円

研究・研修、普及・啓発

「緊急自動通報システムを活用した交通事故死傷者低減研究への助成」(日本自動車研究所 (JARI))
  • 交通事故による社会的コストを低減する手段として、工学と医学が連携し、交通事故発生時の緊急自動通報システムに関する環境整備(研究体制、システム構築等)を図る。
  • 死亡者数を減少させ、後遺障害・負傷者の損傷程度を軽減させることが期待される。
拠出額:17,919千円
「交通事故被害者を対象とした救急蘇生(AED)の普及・啓発事業」(日本救急医療財団)
  • 交通事故の中にあって心肺蘇生とAED実施の行動が起こせるよう動機づけることを目的とし、全国規模で、自動車運転者・同乗者等となりうる一般市民を対象にシンポジウムと実施講習を行う。
  • 自動車事故における市民参加の救急救命、AEDの一層の活用が期待される。
拠出額:8,475千円

自動車事故被害者対策

交通事故相談等への支援

「交通事故無料相談事業支援」(交通事故紛争処理センター
  • 保険会社の利益に属さない自賠責運用益を活用することで、中立的な立場から交通事故被害者・加害者の無料法律相談事業を行う。迅速・安価な紛争解決を図ることが期待される。
  • ADR(裁判外紛争処理)機能に対する社会の期待は高まっている中で、既に年間約25,000件の相談を受け付けている。相談待ち日数の短縮、事務処理等の改善や事業運営の一層の合理化にも努めている。
拠出額:904,983千円
「弁護士への医療研修」(交通事故紛争処理センター
  • (財)交通事故紛争処理センターの相談員(弁護士)を対象に最新の医療情報を提供する。一層公正で迅速・妥当な示談斡旋・裁定などの紛争解決を促進することが期待される。
  • 研修会は、全国8都市(センター本部および支部所在地)で開催されるが、11年度からは年間4都市で実施することとした。
拠出額:3,000千円

交通遺児の支援

「損害賠償金による交通遺児育成基金事業支援」(交通遺児等育成基金)
  • 交通遺児の賠償金を効率的・安定的に運用して、遺児育成のための資金を長期にわたり定期的に給付する制度(注)を支援する。交通遺児の保護・救済に資することが期待される。

(注)加入者本人の拠出金に助成金を上乗せした資産を一定の利率で運用し、交通遺児が満19才に達するまでの間、育成給付金を支給するもの。

拠出額:67,534千円
「交通遺児への奨学金支給補助」(交通遺児育英会)
  • 近年の金融環境悪化により、交通遺児育英会の財産運用収入は減少し、一般寄付も減少している。他方、交通遺児家庭、特に母子家庭の生活を支えるために、高校から大学院までの奨学金貸与の要請は高まっている。
  • 同育英会に支援することで、奨学金貸与の維持、教育の機会均等を図ることが期待される。
拠出額:25,000千円

被害者・家族等の心のケア、講習会の支援

「遷延性意識障害者の家族の介護に関する講演会および勉強会開催費用補助」(日本意識障害学会
  • 遷延性意識障害(植物症)の患者を介護する家族への情報提供の場として、講演会・勉強会を開催し、全国における事例を紹介して、介護に関する種々の情報を提供する。遷延性意識障害者とその家族が直面する課題等への支援が期待される。
  • 講演会・勉強会は年間3回開催予定。
拠出額:1,000千円
「リハビリテーション講習会開催費用補助」(リハビリテーション病院等)
  • 自動車事故による脳外傷や脊椎損傷などで重度後遺障害を被った被害者やその家族に対する講習会費用を補助する。講習会(注)を通じて、適切な情報提供、意見交換、交流が期待される。

(注)各都道府県のリハビリテーション病院を中心に、医師、医療・福祉関係者、家族、行政機関等で構成する講習会実行委員会を立ち上げ、企画・運営されている。

拠出額:38,500千円
「脊髄損傷当事者による脊髄損傷者への情報提供・相談会・講演会等の開催費用補助」(全国脊髄損傷者連合会)
  • 脊髄損傷者(ピアマネージャー)による脊髄損傷者のためのピアサポート活動(注)を支援する。脊髄損傷者への情報提供、早期社会復帰が期待される。

(注)リハビリセンター・医療機関等に入院中の脊髄損傷者およびその家族を対象としたグループ相談会開催、ピアマネージャーの派遣、病院・自宅等個別訪問、ロールモデル(社会復帰をとげた脊髄損傷者)の派遣及び講演会の実施、ピアマネジャーの現任研修会の実施等。

拠出額:4,500千円
「被害者・その家族等の心のケア推進事業支援」(全国被害者支援ネットワーク
  • 交通事故等の被害者、その家族・遺族の心のケアの推進を図る。カウンセリング事業、被害者等への自助グループへの支援事業、講演会の開催等を支援する。
  • 同ネットワークは、全国45都道府県に45の支援組織を持ち、広く被害者支援に資することが期待される。
拠出額:2,000千円
「交通事故被害者への情報提供・研修会開催費用補助」(全国被害者支援ネットワーク
  • 自動車事故による被害者やその家族に対する情報提供を目的とした研修会・勉強会の開催費用を補助する。研修会・勉強会を通じて、交通事故被害者やその家族に対する適切な情報提供、意見交換、交流が期待される。
拠出額:5,200千円
「社会資源マップの作成支援」(千葉リハビリテーションセンター 他)
  • ライフステージやライフスタイル別に高次脳機能障害者に必要と思われるあらゆる分野の情報を標準化し、全国一律に障害者が利用できる社会資源等の支援情報をまとめた「支援マップ」を作成し、WEBで公表しようとするもの。
  • 全国の支援体制の充実度を俯瞰することも可能となり、支援の充実につながることが期待される。
拠出額:9,000千円
「高次脳機能障害ファシリテーター育成講座」(高次脳機能障害支援ネット
  • 高次脳機能障害者支援の専門家の育成支援を目的として、医師、看護師、理学療法士、作業療法士などの専門職を対象に全国各地で開催する講習会を支援する。
  • 専門家の充実が図られると主に、当事者と家族を交えた実習形式を取り入れることで、地域における支援者と当事者の連携を深めることが期待される。
拠出額:7,000千円

研究支援

「脊髄損傷に関するデータベース構築」(労働者健康福祉機構 総合せき損センター 他)
  • 脊髄損傷治療のデータベースの構築により、脊髄損傷機能回復評価法を確立すると共に、確立された評価法を普及し、治療(リハビリテーション)の標準化を行おうとするもの。
  • 全国のどの医療機関でも、効率的かつ効果的な脊髄損傷治療を受けることが可能となり、治療実績の向上が図られるほか、治療期間が短縮され、治療費支出を抑制することが期待される。
拠出額:5,800千円

後遺障害認定対策

公募による研究助成

「自動車事故医療研究助成」(公募(一般))
  • 交通外傷に関する医療研究のテーマを募り、有益で有効な研究を支援することで、医療の進歩に資することが期待される。
  • 2010年は98件の応募に対し34件の採用を行った。研究期間は1年。医学界の専門家で構成される選考委員会において選定される。
拠出額:40,000千円
「自動車事故医療研究助成」(公募(特定課題))
  • 時機に適った研究課題を複数特定して募集し、有益で有効な研究を支援することで、医療の進歩に資することが期待される。
  • 2010年度は課題3テーマを設定し6件の採用を行った。研究期間は2〜3年。一般公募と同様に医学界の専門家で構成される選考委員会において選定される。
拠出額:30,000千円

医療費支払適正化対策

医療費支払適正化の取組み

「医療費支払適正化のための医療研修」(日本損害保険協会)
  • 交通事故医療に関する研修を通じ、医療費支払いの適正化を図る。対象者は、損保会社等の自動車損害調査担当者。
  • 伊豆研修所では、応用、研究、特科、上級、専門の5つのコースを設けて実施している。
拠出額:113,510千円
「自賠責保険診療報酬基準案普及促進費」(日本損害保険協会)
  • 1984年12月の自賠責保険審議会答申の指摘に基づき、「自賠責保険診療報酬基準案」を全国で普及させ、医療費支払いの適正化を図る。自賠責保険の支払い保険金の適正運営のために有意義な事業である。
  • 基準案の未実施地区への普及、既実施地区における普及率アップに向けた活動等を行う。
拠出額:45,000千円
「民間医療機関の医師等への自賠責保険制度・運用等に関する研修」(日本医師会)
  • 医師等に対し自賠責保険制度・運用等に関する研修を全国各地で実施し、医療費支払いの適正化を図る。
  • 2000年6月の自賠責保険審議会答申の指摘に基づき実施しているもの。
拠出額:9,000千円